クリームソーダ

音楽とミステリーと、時々Jリーグ

読んだもの vol.1

最近読んだものについて。

 

 

今はもうない (講談社文庫)

・今はもうない/森博嗣

~避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見され たときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステ リィ。~

読み進めるのを我慢していろいろ考えてみたんだけど、自分で考えたトリックは、ちょっとダメな主人公が提案して即刻否定されていった。殺人事件のトリックを考えるのに夢中になっていたけど、もう一つの素敵なトリックには全く気付かなかった。

 

 

ドミノ (角川文庫)

・ドミノ/恩田陸

~一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。~

恩田陸の著書の中では珍しいパニックコメディ。

複数の出来事が同時進行し、場面もころころ変わるので、登場人物やそれぞれの状況を頭に入れるのがなかなか大変だった。

 

 

金田一耕助ファイル9 女王蜂: 9 (角川文庫)

・女王蜂/横溝正史

伊豆半島の南方にある月琴島源頼朝の後裔と称する大道寺家が住んでいた。絶世の美女、大道寺智子が島から義父のいる東京に引きとられる直前、不気味な脅迫状が舞い込んだ。『あの娘のまえには多くの男の血が流されるであろう。彼女は女王蜂である……。』この脅迫状には、十九年前に起きた智子の実父の変死事 件が尾を引いているらしい。そして…。智子の護衛役を依頼された金田一耕助の前で血みどろの惨劇が! 大胆なトリックで本格探偵小説の一頂点をきわめた、驚異の大傑作! !~

八つ墓村」に引き続き、金田一耕助シリーズ。中心人物である智子がいかに美しいか、という描写がすごくて、ほかほかした。月琴島、本当にあるなら行ってみたいな、と思ったけどないみたい。

 

 

劫尽童女 (光文社文庫)

・劫尽童女/恩田陸

~父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の 追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが―。殺戮、数奇な 運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か。~

 壮大なSFが、さくっとまとまっていた。「ZOO」とか「BUG」とか「ZOOに対抗する組織」とか、謎の組織の実態が最後までよくわからないのが良かった。みんなが何をしたかったのか、もよくわからなかったけど、なぜだかすっきりした。