クリームソーダ

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ドラマ「すべてがFになる」と、読んだもの vol.6

 

だいぶ前になるが、ドラマ「すべてがFになる」を観た。

「よりによって連ドラ!」と思ったけど、やはり原作と比べてしまうといろいろと歯痒い感じはした。最終回の「有限と微小のパン」だけで1クールやってもいいくらいなのに、と思う。

まだまだ先だけど、ノイタミナでも放送されるみたいなので、そちらも楽しみ。

 

 

 

ドラマ化を知り、慌てて読んだもの。

 

有限と微小のパン (講談社文庫)

有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER/森博嗣

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。

 金田一耕助シリーズにすっかり夢中になってしまったのと、読了してしまうのが寂しい、という理由でずっと読んでいなかったS&Mシリーズ最終作。

全10章から成っていて、各章に題名と英語の副題がついている。英語の副題は、すべて「Pan(パン)」から始まる。さらに、各章の冒頭に添えられている言葉は、これまでのシリーズ(10作品)それぞれからの引用ときていて、いよいよ最終作らしい。
舞台がテーマパークってだけでわくわく感が大きかった。ベタなくらいの舞台の方が好みなのかもしれない。お馴染みの登場人物たちが一堂に会したのも、最終作らしくて良かった。
トリック、というか起こった現象についてはとても理解しやすかった。ただ、それ以外の哲学的な部分についてはわからないことばかり。
生と死、現実と虚構、内と外(insider,outsider)、有限の生と微小の死・・・?
シリーズを通して登場してきたキーワードが上手く繋がらない。もどかしい。
印象に残ったのは萌絵の「能力なんて、どうだって良いわ。私は・・・・・・、常識的な人間になりたいだけです」というセリフ。犀川と萌絵は、離れていったように感じた。
 
 
S&Mシリーズ、読了。次は何シリーズを読もうか。