クリームソーダ

音楽とミステリーと、時々Jリーグ

読んだもの vol.7

 

最近読んだものについて。

 

 

ねじの回転―February moment (上) (集英社文庫)

ねじの回転/恩田陸

「不一致。再生を中断せよ。」近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。彼らは国連の意図に反して、かつての昭和維新を成功させようとするが。恩田陸渾身の歴史SF大作。

習ったはずの「2.26事件」、すっかり忘れていた。こんな重要な事件、改めて認識できて良かった。

どうしても、決起軍寄りの気持ちになってしまう展開だった。栗原中尉も安藤大尉もその部下の兵士たちもとても魅力的な人間だった。

「マツモト」が過去に行ったあたりから、システムがよくわからなくなってきたし、盛り上がったまま残りページ数がぐんぐん減ってきて不安な気持ちになったけど、終わり方は割とすっきりした。

歴史SF面白い。歴史の知識があればもっと面白いんだろう。

栗原中尉のイケメンぶりが気になって(あまりにも容姿の描写が多いので)画像検索してしまったけど、昔の写真ではよくわからない。

 

 

 

 

金田一耕助ファイル10 幽霊男

幽霊男/横溝正史

神田神保町の裏通りにあるヌードモデル仲介業「共栄美術倶楽部」に、知人の紹介で初めて現れた異相の男、その名も佐川幽霊男。彼の依頼を受けたモデルの恵子は、西荻窪で佐川と待ち合わせた後、ホテルの一室に運びこまれ、そしてさらに・・・・・・。猟奇マニアたちの秘密の巣でもあったその倶楽部に金田一探偵が登場。右往左往しながらも、欲望に溺れて墜ちたマニアたちの犯罪を鮮やかに解決!妖気漂う原色怪奇まんだら。

まず、紹介文の「原色怪奇まんだら」という表現にひっかかるが、深く考えないことにする。

加害者、被害者メインで描かれており、金田一耕助の出番は少なかった。

短めで、テンポが良くて、あれよあれよという間に事件が勃発していった。その間、金田一耕助は頭をもじゃもじゃかき回して悔しがってばかりいた印象。

伏線もかなり多かったと思うけど、真相も犯人も終盤までわからなかった。