クリームソーダ

音楽とミステリーと、時々Jリーグ

読んだもの vol.8 と、ドラマ「オリエント急行殺人事件」

 

ドラマ化されると聞いて(年始めの話)、慌てて読んだもの。

 

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

オリエント急行の殺人/アガサ・クリスティー

厳寒の季節に似合わず国際列車オリエント急行は世界各国からの乗客でいつになく混んでいた。一癖も二癖もある乗客たちが作る異様な雰囲気のなか、雪で立往生した車内で、老富豪が何者かに刺殺された。名探偵ポアロが腰を上げたが、乗客のすべてには堅牢なアリバイがあった…大胆なトリックに注目の著者の代表作。

鈍い私でも、さすがに途中で「もしや」と思った。

主人公のポワロと、ブーク、コンスタンチン博士のやりとりをはじめ、事件の真相に至るまで、まさに「喜劇」的だった。背景にある事件は悲劇なのですが。

 

 

ドラマ「オリエント急行殺人事件」は、三谷幸喜氏が脚本を務め、キャストも豪華。

舞台は昭和初期の日本、下関と東京を結ぶ寝台列車「特急東洋」という設定だった。登場人物の名前は、原作の名前をもじってあっておもしろかった。「ABC殺人事件」が「いろは殺人事件」と表現されていたのもクスッとした。

2夜連続放送ということだったが、第一夜で事件解決まで辿り着いてしまい、第二夜はどうなるんだ、と思ったら、第一夜の「メイキング映像」のような感じだった。時にシリアスで、時にコミカルで、テンポも良くて面白かった。全体を通して、オリジナリティ溢れる部分と、原作に忠実な部分とのバランスが良かったように感じた。

私は、原作に「喜劇」の印象を持っていたので、今回のドラマもそれほど違和感は感じなかったし、面白かった。ポワロの憎たらしさは強烈すぎた気もするけど。