読んだもの vol.10
最近読んだものについて。
溜まってしまったので、一言メモのみ。
・七つの仮面/横溝正史
印象の薄い短編集。
・悪魔の寵児/横溝正史
意外性があって面白かった。えげつなかった。
・悪魔の百唇譜/横溝正史
冒頭の、事件解決後に自己嫌悪に陥る金田一耕助と、そんな彼を見るのが心苦しく、無理矢理事件に駆りたてる等々力警部とのやりとりが微笑ましかった。
・仮面舞踏会/横溝正史
飛鳥忠煕が、娘に見せた父性愛のシーン(ライターの件)が感動的で印象に残った。
・白と黒/横溝正史
わかる人にとっては、タイトルでネタばれなんだ。
・悪霊島/横溝正史
本編もさることながら、磯川警部の切ない事情もドラマチックだった。
事件解決までに約20年という大作。登場人物や家系がなかなか覚えられなかった。
・幽霊座/横溝正史
短編集。門脈圧亢進によって起こる「メドゥーサの首」と呼ばれる症状が登場したのが印象的。
・不死蝶/横溝正史
得意の洞窟あり、切ないロマンスあり。
・吸血蛾/横溝正史
ファッション界が舞台で、綺麗な女性がたくさん登場して華やかだった。
・魔女の暦/横溝正史
「火の十字架」と2編収録。どちらもストリップ劇場の世界が舞台。あまり印象に残らなかった。
・扉の影の女/横溝正史
「鏡が浦の殺人」と2編収録。印象的だったのは、「扉の影の女」で金田一耕助が貧乏になったりお金持ちになったりしていて、貧乏な時にはとことん図々しい描写。昭和30年の金田一耕助の朝食として、「たっぷりバターを塗ったトーストがふたきれに、牛乳が1本、ほかに缶づめもののアスパラガスに、ウインナー・ソーセージ。」が「粗僕」と表現されているけど、豪華だなー。
「女の決闘」と2編収録。「支那扇の女」、意外な結末だった。登場人物達が、気になっていた「悪い種子」という映画を話題にしていて、ますます気になってしまった。こんなに昔の映画とは思っていなかった。
・夜の黒豹/横溝正史
意外性はなかったけど、すかっとする結末だった。
・貸しボート十三号/横溝正史
「湖泥」「堕ちたる天女」と3編収録。「貸しボート十三号」で、純情な男子部員達と警部達とのやり取り、みんなでカレーライスを食べるシーンが微笑ましくて印象に残った。
・七つの時計/アガサ・クリスティー
ポワロは出てこず、主人公は女の子なんだけど、危なっかしすぎてはらはらした。
・まひるの月を追いかけて/恩田陸
奈良に行きたくなった。やっぱり、序盤~中盤が一番盛り上がる。