クリームソーダ

音楽とミステリーと、時々Jリーグ

読んだもの vol.3

 

最近読んだものについて。

 

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島横溝正史

獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。 『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与え、今なお燦然と輝く、ミステリーの金字塔! !~

鬼頭家の三姉妹についての

 この美しい、しかしどっか尋常でない、三輪の狂い咲き

という表現がとても良い。わくわくする。

被害者の死について、悲しんでいる人が全然いないのが印象的だった。と思ったけど、今までの作品も割とそうだったかも。

島内の地理や位置関係が難しくて、最後までよくわからないままだった。

 

 

 

蛇行する川のほとり (集英社文庫)

・蛇行する川のほとり/恩田陸

~演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。~

恩田陸らしい登場人物たちだった。少女達が主人公なのだろうけど、特に印象的だったのは暁臣。中性的でちょっとひねくれた美少年。憎たらしかった。

登場人物の4人の少女、それぞれの目線で描かれた4部構成で、最後まで新鮮だった。

「真夏なのに冷たい」感覚の表現が多いのも印象に残った。

 

 

 

金田一耕助ファイル4 悪魔が来りて笛を吹く: 4 (角川文庫)

~世の中を震撼させた青酸カリ毒殺の天銀堂事件。その事件の容疑者とされていた椿元子爵が姿を消した。「これ以上の屈辱、不名誉にたえられない」という遺書を娘美禰子に残して。以来、どこからともなく聞こえる“悪魔が来りて笛を吹く”というフルート曲の音色とともに、椿家を襲う七つの「死」。旧華族の没落と 頽廃を背景にしたある怨念が惨殺へと導いていく――。名作中の名作と呼び声の高い、横溝正史の代表作!!~
最後の最後で、「あぁ!」が出た。久々に出た。