読んだもの vol.11
最近読んだもの。
また、溜まってしまったのでメモのみ。
なぜか、冒頭のおでんをお箸でいじくりまわすシーンと「猫目石」というワードだけが印象に残っている。
・死神の矢/横溝正史 「蝙蝠と蛞蝓」を同時収録。
当時は、純潔って命くらい重いものだったのか。なにも死ぬことないじゃん!って思ってしまうけど。
・壺中美人/横溝正史 「廃園の鬼」を同時収録。
「廃園の鬼」に登場する狂気的な建築物がどんな建築物なのか全然イメージできないのだけど、「なんでここにドアが?」みたいな建築物ってすごく不気味。未完成だと尚更。
・華やかな野獣/横溝正史 「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」を同時収録。
「華やかな野獣」はコンパクトながら、怪しい人物がたくさん登場してわくわくした。トリックもわかりやすくてすっきりしたし、犯人の行動がちょっと笑えた。
・毒の矢/横溝正史 「黒い翼」を同時収録。
どちらも手紙にまつわる事件。
ある事柄から、犯人を予想していたんだけど全然違った。その事柄は真相に関係すらなかった。なんだったんだろう。
・迷路の花嫁/横溝正史
展開は、三つ首塔に似ている。金田一耕助シリーズなのに、金田一耕助はほとんど登場せず。ドキドキしてスカッとしてホロリとする。「推理小説」という感じではない。
すべて「〇〇の中の女」という題名の話の短編集。
短編集ということで、少し物足りなさはあるけれど、最後まで飽きなかった。
事件や真相解明もおもしろいけれど、金田一耕助や等々力警部、磯川警部の人物像が素敵で印象に残った。
それから、描写されている当時(昭和初期)の日本の様子も興味深かった。
金田一耕助シリーズのあとは、創元推理文庫の江戸川乱歩集を読んでいる。
・孤島の鬼
・D坂の殺人事件
「二廢人」「D坂の殺人事件」「赤い部屋」「白昼夢」「毒草」「火星の運河」「お勢登場」「虫」「石榴」「防空壕」を収録。
・蜘蛛男
・黒蜥蜴
・吸血鬼
・黄金仮面
・妖虫
・湖畔亭事件 「一寸法師」を同時収録。
・影男
・算盤が恋を語る話
「一枚の切符」「恐ろしき錯誤」「双生児」「黒手組」「日記帳」「算盤が恋を語る話」「幽霊」「盗難」「指環」「夢遊病者の死」を収録。
・人でなしの恋
「百面相役者」「一人二役」「疑惑」「接吻」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」「灰神楽」「モノグラム」「人でなしの恋」「木馬は廻る」を収録。
・大暗室
・盲獣 「地獄風景」を同時収録。
・魔術師
江戸川乱歩の長編は初めて読んだのだけど、推理小説というよりはアクション映画みたいだと感じた。
「犯人は誰か」という話より、「犯人をどうやって捕まえるか」という話が多かった印象。「今、本気出せば絶対捕まえられたよね!?」というシーンが割とあってやきもきする。
追い詰められた犯人が取り出した拳銃の弾は抜いてあるのがお約束で、何冊か読んでいくうちに「どうせ弾入ってないんでしょ。」となってしまった。
小人症の登場人物が多いのも印象的。
明智小五郎も良いけど、どちらかというと「赤い部屋」や「人間椅子」みたいな話が好き。